情は法を超越しない

 

※「法治」を知りもしないで四の五の言うな。
 
徐台教なるジャーナリストが所謂徴用工問題について何か書いているが、実に異常な主張である。3年前の韓国大法院の異常判決に対する日本の反応を「冷たさ」と評しているが、その認識は根底から間違っている。法治国家においては
 
「情は法を超越しない」
 
のだから。それが判っていない、と言う時点で韓国人らしい、と言ってしまえばそこまでなのだが、それが罷り通る様では韓国は永遠に「法治国家」として認められる事はなく、日本に限らず世界から相手にされる事もなくなる。
 

 

 
 
日本が韓国大法院の判決を前提にした一切の協議を認めないのは
 
「それをすれば国際法違反の判決を認める事になる」
 
からである。しかもそれは所謂徴用工問題だけではない。
 
※日本統治時代の行為全てが賠償対象になる。
 
この様に判示した為、解釈上「日本の朝鮮半島統治による全ての行為」が賠償対象になる訳で、これは韓国だけでなく将来北朝鮮との統一がされれば北朝鮮に関する部分も後から賠償請求可能、と言う意味でもある。そんな事になれば間違いなく日韓請求権協定で韓国に払った
 
※大法院判決を認めるとこれ以上の賠償が待っている。
 
これだけの金額を現在のレートに換算した以上の額が賠償対象になる訳で、文字通りの意味でカネが幾らあっても足りない。そんなバカな事を認める理由からして一切合切ない。それが日本政府が、一切の協議に応じない理由である。
 
記事では日本の判例も引き合いに出しているが、その判決は結局
 
「日韓請求権協定で解決済み」
 
と結論して原告敗訴であった事は一切触れていない。卑怯な論法である。記事は
 
〈日本社会のメインストリームでは「徴用工問題」はあたかも外交・軍事といった国際問題のように扱われてきた。個人の尊厳の問題として扱われたことは少なくとも過去3年のあいだ、一度も無かった。〉
 
と言うが、所謂徴用工問題は「法で解決済み」の問題であり、蒸し返す韓国に問題がある、と言う認識が当然かつ常識なのだ。この記事を書いた徐台教とか言うジャーナリストは「情で法を越えようとしている」が韓国以外の世界では「情は法を超越しない」のが常識だ。その時点でコイツの認識は根底から間違っている。韓国内だけの論評なら兎も角、国境を越えて届く論評がこの程度の代物でしかない、と言うのはジャーナリストとして恥ずかしい限りだが、それが判る様な良心があれば最初からこんな駄文は書かないだろう。韓国のジャーナリズムのレベルの低さの証明でもある。
 
※それは国家でも話は同じ。
 
この記事ではおかしな事に日韓請求権協定について殆んど触れていない。日本は
 
「韓国大法院判決は国際法違反。是正は韓国政府の責任で行うべき」
 
と主張しているが、これに対する反論、と言うのが「ない」のだ。韓国大法院の判決は「韓国内では」司法の最終判断で韓国国内法に相当するものかも知れないが、所詮は韓国内だけの話だ。一方日韓請求権協定はれっきとした国際法である。国際法と国内法が対立した場合、優先されるのは国際法だ。一方の国の国内法で国際法を骨抜きに出来るのでは国際法の意味がないからだ。韓国はまさにその愚を犯しているのだが、それについてコイツはどう考えているのか?そもそも韓国でも国際法は「国内法と同等」と定義されている。つまり、例の大法院判決は「既にあった国内法と同等の国際法を無視して新たなルールを作った」と言う意味でしかない。そんな真似が罷り通るから「韓国は法治国家ではない」と言う評価になるのだが、コイツはその意味を判っていない。
 
※「個人補償」を先に言っていたのは日本だった。
 
また、日韓国交正常化交渉でこれらの問題が議論になった時、「個人補償」を先に言い出したのは日本だった。それを拒否して一括受け取りを主張したのが韓国側だった。既に公開されている資料からもそれは明白だ。「個人の尊厳」云々言うなら交渉の経緯を見ればそれを踏みにじったのは韓国政府だ。それも自国民の。受け取ったカネを本来支給すべき人に回さず、その殆んどを経済政策に費やしたのだから。徐台教とか言うジャーナリストも当然この事実は知っているのだろう。知っていてこの様な書き方をするのは卑怯な振る舞いでしかないし、知らなかったのならジャーナリストとして取材不足だ。どっちにしてもロクなものではない事だけは確かだ。これだから韓国のジャーナリズムは…
 
※韓国には制裁が必要だ。
 
また、「謝罪」云々言っているが、「徴用」が現在では明らかな違法行為である事は論を待たないが、実際に行われた当時では合法な行為であった。この様な
 
「過去は合法だったが現在では違法」
 
な行為は遡って断罪される事はない、と言うのが「法学の常識」だ。徐台教はそれを知らないのか?従って日本側がこの件で謝罪する理由は一切ない。徐台教はもう少し「法」と言うものがどういうものなのか自分で調べて理解してから記事を書くべきであった。繰り返すが幾ら「情」に訴えても「法を超越する事はない」のである。残念な部分はあるが、そういうものだと割り切って貰うよりない。それが判らないなら日本は容赦なく韓国に制裁を課すべきだし、それ以外の手段はない。韓国の主張は「法治国家以前の前時代的な愚劣な代物」でしかないのだから相手にする必要はない。協議を望むなら先ずは自分達が「法治のいろは」を身に付けてから言うべきだ。そうなるのが先か、自称元徴用工の寿命が先かは知らないが、時間がないのは韓国側である。制裁がお望みか、法治国家になるのがお望みか?決めるのは韓国自身である。