朝日新聞報道と違う吉田調書

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朝日新聞福島原発事故に関して事故当時の所長だった吉田昌朗氏の聞き取り調査をまとめた「聴取結果書」 (吉田調書)を基に5月20日付朝刊で「所長命令に違反 原発撤退」「福島第1 所員の9割」と書き、23年3月15日朝に第1原発にいた所員の9割に当たる約650人が吉田氏の待機命令に違反し、10キロ南の福島第2原発へ撤退していたと指摘していた。

この「吉田調書」は政府が非公開にしているが、朝日新聞は何らかの方法で入手して記事にしたのだろう。ところが「吉田調書」を産経新聞も入手して記事にしたが朝日新聞の記事の内容が嘘出鱈目だとしている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140818-00000077-san-pol

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吉田氏は東電が事故発生3日後の14日から15日にかけて福島第1原発から「全面撤退」しようとしていたとする菅直人らの主張を強く否定し、官邸からの電話指示が混乱を招いた実態を証言している。

吉田氏は聴取担当者の「例えば、(東電)本店から、全員逃げろとか、そういう話は」との質問に「全くない」と明確に否定している。細野豪志に事前に電話し「(事務関係者ら)関係ない人は退避させる必要があると私は考えています。今、そういう準備もしています」と話したことも明らかになっている。

 特に、東電の全面撤退を疑い、15日早朝に東電本店に乗り込んで「撤退したら東電は百パーセント潰れる」と怒鳴った菅に対する評価は手厳しい。吉田氏は「『撤退』みたいな言葉は、菅氏が言ったのか、誰が言ったのか知りませんけれども、そんな言葉を使うわけがない」などと、菅を批判している。

政府の事故調査・検証委員会に「菅さんが自分が東電が逃げるのを止めたんだみたいな(ことを言っていたが)」と聞かれてこう答えている。

 「(首相を)辞めた途端に。あのおっさんがそんなのを発言する権利があるんですか」

 「あのおっさんだって事故調の調査対象でしょう。辞めて自分だけの考えをテレビで言うというのはアンフェアも限りない」

菅直人は日本にとって非常に不幸な事であったが東日本大震災時の首相だった。それを「おっさん」呼ばわりするのだから、吉田氏の心情推して知るべし、である。あれこれ言う前にちゃんと産経新聞も読めよ、菅直人

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「私にとって吉田(昌郎)さんは『戦友』でした。現政権はこの調書を非公開としていますが、これは特定秘密にも該当しないし、全面的に公開されるべきです」

そう菅直人は月刊宝島8月号で、ジャーナリスト(元朝日新聞記者)の山田厚史氏のインタビューに対し答えているが、滑稽極まりない。いつまでもおめでたい思考回路の持ち主である。

更に当時の海江田万里経済産業相)や細野豪志首相補佐官)ら菅政権の中枢にいた政治家たちが、東電が全面撤退する意向だと考えていたことに対しては「アホみたいな国のアホみたいな政治家」とばっさり切り捨てている。ちゃんと記事を読めよ民主党

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事故直後に菅直人は無意味な現場視察を強行して更なる混乱とベントの遅れを招いたが、吉田氏はこれに関して

「(菅直人が来る目的は)知りません」

 「行くよという話しかこちらはもらっていません」

 さらに作業を続けている所員らに「菅が激励もせずに帰っていった」ことを証言している。

その菅が叱責紛いの恫喝を東電本社でした事についてはテレビ会話を通して見た上でこう語っている。

「ほとんど何をしゃべったか分からないですけれども、気分悪かったことだけ覚えています」

「何か喚いていらっしゃるうちに、この事象(2号機で大きな衝撃音、4号機が水素爆発)になってしまった」

政府の事故調査・検証委員会が福島第1原発事故における菅直人をはじめとする首相官邸サイドからの介入についてこう総括している。

 「介入は現場を混乱させ、重要判断の機会を失し、判断を誤る結果を生むことにつながりかねず、弊害の方が大きい」

これに関する吉田氏の証言は
「何で官邸なんだというのがまず最初です。何で官邸が直接こちらにくるんだ。本店の本部は何をしているんだ」

「最初、官邸と電話なんかする気は全くなかった」

「官邸と現場がつながるということ自体が本来あり得ない」

更に緊急時に菅直人がかけた電話の内容は
「水素爆発はどういうメカニズムで起こるんだということとか、それは水蒸気爆発と違うのかというようなご質問をなさっていた」

 「ごく初歩的な質問を菅さんがして、私が説明し始めたら、ちょっと待ってくれ、その質問は日比野(靖内閣官房参与)さんがしているからということで、日比野さんに代わって、結構忙しいときだった」
と、証言している。

極めつけは官邸内で海江田万里細野豪志ら政治家や東電幹部、班目(まだらめ)春樹原子力安全委員長らが「勉強会」を開き、そこで出た疑問を現場に電話で問い合わせていたと聞き、吉田氏はあきれてこんな感想を語っている事だ。

 「何をもってこの国は動いていくんですかね。面白い国ですね」

民主党に政権を取らせた結果である。

故人の意向もあって非公開だと言うが、産経新聞の記事が正しいならば、是非とも(一部でも)公開して事故当時民主党政権が如何に稚拙な対応で事態の混乱に拍車をかけたか、そして嘘出鱈目が指摘されている朝日新聞の報道が如何に
その通りであるかを明確にしてもらいたい。日本で原発を再稼働しようがしまいが世界のどこかで原発が稼働している限り事故は有り得る。同じ悲劇を繰り返さぬ為にも必要な事ではあるまいか。