戦時作戦統制権移管問題以前の韓国の我儘

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※公約違反だった戦時作戦統制権移管延期

在韓米軍と韓国軍の間での戦時作戦統制権移管問題は結局移管の事実上無期限延期となった。韓国軍が自力で北朝鮮に対応する能力を付けるまでは現在同様、在韓米軍に有事の際は韓国軍の指揮権がある事になる。韓国は有事の際自分達の判断で国を守れない訳だ。これを情けないとか、韓国は自立しろとか思うならば日本も同様に自力で国を守る抑止力が必須である。そういう話になれば結局は憲法9条の改正の必要性に行き着くが、護憲を口にするならこういう韓国の実状をどうこう言えまい。


さて、その統制権移管を巡りまた別の問題もあるようだ。朝鮮日報が社説で政権批判をしている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141025-00000788-chosun-kr

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※ソウル市と龍山基地(赤い部分)

現在在韓米軍の司令部はソウルのすぐ南の龍山基地にあるそうだ。この基地を2016年迄に返還し、更に南の平沢なる場所に移転させる事になっているようだが、問題は「司令部は現地に残す」事である。韓国国防部はこれについて有事の際の連携を円滑に行う為とか、移転費用(約400億円)の発生を理由にしているようだが、既に平沢の基地は建設中なのである。その費用は日本円にしてざっと9200億円!因みに韓国側が全額負担だそうだ。本来司令部もこちらに移転予定なのだが、この期に及んで韓国側の我儘が始まったと言ってもよいのだろう。

しかも龍山基地返還の曉には跡地を公園にする計画で、それがあったから費用負担を韓国民が受け入れた経緯がある。(周辺に商業地域などを作りその収入で基地移転費用を捻出する計画だった)だが司令部が残ると公園を作っても中心は軍事施設のままで意義が半減する。しかも4000億円以上の先行投資を既に龍山基地返還後の開発計画にしておいてである。

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※ソウルと平沢の位置関係図

…社説も指摘しているが余りに無計画な朝令暮改の場当たり対応で結果大量の税金の無駄遣いを生んでいる。それが韓国政府のしてきた事である。韓国政府自体が「税金を食う怪獣」の最たる存在だったようだ。軍どころの騒ぎではない。

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※いずれ韓国大統領に告げられる台詞

これでは振り回される在韓米軍もいい迷惑だろう。内心「関わっているとロクな事ない」位は思っているかも知れない。

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※指揮命令出来ても軍がこれでは…

だが戦時作戦統制権移管問題以前に韓国軍は装備の質や運用法に大問題がある。仮にそれをクリアしたとしても指揮する政府が場当たり的な指令や無計画、無為無策では軍として意味は為さないだろう。韓国の戦時作戦統制権移管の道は遥か彼方である。

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※あっ、本音が…

参考:米韓の戦時作戦統制権移管問題関連の主な出来事
《▼1950年7月14日:李承晩、国連軍司令官に作戦指揮権委譲
▼1954年11月17日:米韓相互防衛条約で作戦統制権に名称を変更
▼1961年5月26日:韓国・国家再建最高会議と国連軍司令部が共同声明、30・33警備団など一部部隊の作戦統制権返還
▼1968年4月17日:米韓首脳共同声明、対浸透作戦遂行権限を韓国軍が単独遂行へ
▼1978年11月7日:作戦統制権を国連軍司令官から米韓連合司令官に移管
▼1994年12月1日:平時作戦統制権を韓国に返還
▼2006年9月14日:米韓首脳会談で有事作戦統制権移管に合意
▼2007年2月23日:米韓国防相会談で有事作戦統制権移管の時期を2012年4月に決定
▼2010年6月26日:米韓首脳会談で有事作戦統制権移管の時期を2015年12月に延期
▼2013年6月1日:米韓国防相会談をシンガポールで開催(有事作戦統制権移管を協議と推定)
▼2013年7月16日:米政府、韓国の有事作戦統制権移管延期の提案を認める
▼2013年10月2日:第45回米韓定例安保協議(SCM)、有事作戦統制権移管の条件と時期について協議を続けることで合意
▼2014年10月23日:第46回米韓定例安保協議で有事作戦統制権移管の再延期を決定》