スズメバチ駆除で家が全焼?笑い事ではないスズメバチ駆除の落とし穴

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スズメバチに刺されると命の危険もある。

「嘘みたいな本当の話」とでも言うべき事件である。
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http://www.sankei.com/west/news/160519/wst1605190002-n1.html

不幸にも自宅にスズメバチに巣を作られてしまった一家。駆除業者をネットで検索したところ、

「24時間すぐに対応」

「駆除のスペシャリスト」

と称する業者を発見、しかもHPで民放のバラエティー番組で駆除作業が取り上げられたことも動画付きで紹介されていたと言う。そこでその業者に駆除を依頼したのだが…

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※素人の手に負える代物ではないだろう。

翌日やって来た作業員2名は茅葺きのどこに巣があるのか特定しないまま作業をスタートさせ、いきなり薬剤のスプレーを散布したのだと言う。当然ハチの逆襲に遭うのだが、そこで作業員は茅葺きの中に発煙装置を放り込み、煙幕を張ったのだと言う。

素人目にも既に「何かが間違っている」としか思えない対応だが、散布したスプレーのガスが充満しているところに、発煙装置を投入したのだから当然ながら引火火災発生となった。

事ここに及んでも作業員は「水を使いたい」とだけ依頼者に申し出ただけ火災発生を依頼者一家に知らせず自分達だけで対応しようとしたのだと言う。しかし結果的に家は全焼、死者が出なかったのは不幸中の幸いだが依頼者一家はスズメバチの巣を駆除する代わりに家まで失ってしまったのだと言う。

「出火直後に報告があれば、消火を手伝うことで鎮火できた可能性もあった」

「ガスで充満したかやぶき内に発煙装置を入れれば、装置の火の粉が引火することは容易に想像できる」

「2人が専門業者としてハチの駆除作業をしていたことも踏まえると、故意にも近い重大な過失による火災だ」

と、提訴した事は言うまでもないが、依頼者一家の代理人弁護士によると、業者側は書面の提出にも応じず、連絡が取れない状態だという。作業員2人もそれぞれ過失は認めていないと言うからタチの悪さも相当である。

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※「自己処理」なんて言われても…

問題の根幹は「スズメバチの巣の駆除に行政の許認可や資格が必要ない」と言う点にあるのであろう。自治体によって対応も異なり、対応してくれる自治体もあれば、大阪市の様に「自己処理」と言う自治体もあると言うから厄介極まりない。YouTubeで「蜂の巣 駆除」と検索すると様々な駆除方法を動画で見る事が出来るが、相手はスズメバチである。とてもじゃないが素人の手に負える相手ではない。素人の生兵法で挑むのは危険極まりない。

害虫駆除業者の研修などを行っている公益社団法人「日本ペストコントロール協会」と言う協会があるのだと言う。有害生物の防除技術を持つ「ペストコントロール技術者」の資格認定を行っており、スズメバチだけでなく、シロアリやネズミなどの防除に関する知識を問い、作業員のレベルアップを図っているのだと言う。同協会の会員は、全国の約890業者。今回の業者は会員ではなかったようだ。万が一自宅にスズメバチに巣を作られ、駆除を依頼するならば最低限「日本ペストコントロール協会」会員の業者に依頼した方が良さそうだ。「スズメバチ駆除業者」と言ってもこのケースの様に胡散臭いのも紛れている様だから…
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※防護服は必須。色が白なのは他の色だとスズメバチを刺激しかねないからだそうだ。

夏になるとスズメバチの行動も活発になり、危険性は高まる時期となる。注意が必要である。