ヘイトスピーチ解消法、成立したが…

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衆議院での反対は社民党だけだったとか。

国会でヘイトスピーチ解消法」が成立した。
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http://www.sankei.com/politics/news/160524/plt1605240054-n1.html

保守派からは「日本人へのヘイトスピーチに関する規定がない」左翼からは「内容が不十分」と極めて評判の悪い法律である。そんな法律を制定した意味があったのか?と疑問も涌くが、そもそも野党から取り調べの可視化などを盛り込んだ刑事司法改革関連法の審議と引き換えに解消法の成立を持ちかけられた、と言う事情があったらしい。そういう政局優先での対応はロクな結果を生まない。勿論不肖筆者としても「ヘイトスピーチ」なる言動には賛成出来ない、と言う立場ではあるが…

…元々自民党としては「既存の法律でヘイトスピーチには対応出来る」と言う見解だった。名誉毀損や虚偽告訴等、と言った規定がそれに該当するのであろう。故に日本人としてはこれらの犯罪行為の構成要件を把握してこの法律が施行されることによって調子に乗る連中に法的対応も出来る様にするべきである。


また、この法律が解消を目指す「ヘイトスピーチ」とは第2条で

「本邦外出身者に対する不当な差別的言動」とは、専ら本邦の域外にある国若しくは地域の出身である者又はその子孫であって適法に居住するもの(以下この条において「本邦外出身者」という。)に対する差別的意識を助長し又は誘発する目的で公然とその生命、身体、自由、名誉又は財産に危害を加える旨を告知するなど、本邦の域外にある国又は地域の出身であることを理由として、本邦外出身者を地域社会から排除することを煽動する不当な差別的言動をいう。」

と規定されている。対象は「外国籍保持者」ではなく、「適法に居住する外国籍保持者及びその子孫」である。密入国者の様に最初から法を逸脱している者を保護する道理はない訳で流石にそこまで甘くはない。

また、言動が「ヘイトスピーチ」に該当するか否かの線引きとして

「差別的意識を助長し又は誘発する目的」

である事、そして

「国籍の違い(日本国籍であるか否か)を理由として」

「当該外国人を地域社会から排除する事を煽動」

という点が挙げられる。
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※史料に基づいた主張は差別の助長を意図しない。

つまり条文を文字通りに読み取るのであれば例えば

慰安婦は募集されていたのであって『性奴隷』では談じてない」

と主張したところで「歴史的事実」の指摘は「差別的意識を助長、誘発」する類の言動ではない。勿論「それを理由にして日本の地域社会から排除する事を煽動」するものでもないのだからそれを「ヘイトスピーチ」とは言えまい。

また、人種差別撤廃条約1条2項では

<この条約は、締約国が市民と市民でない者との間に設ける区別、排除、制限又は優先については、適用しない。>

(This Convention shall not apply to distinctions, exclusions, restrictions or preferences made by a State Party to this Convention between citizens and non-citizens.)

と、規定されている。ここでは「市民」であるか否かを理由にした区別や制限、優先は「差別」ではないと明言している。では「市民」とは何を指すのか?と言う話になるが、「市民権の有無」と解釈するのであれば、参政権の有無」と言う事、つまり日本では「国籍の有無」とも言える。だから生活保護支給は日本国民のみの『権利』である」と主張しても「ヘイトスピーチ」には該当しない。また、この規定によって「在日外国人に参政権を付与せよ」と言う主張を却下してもそれは「差別」にはならない。同時に「在日外国人に参政権を付与する」根拠にもならないし、「在日外国人に参政権を付与してはならない」と言う主張を「ヘイトスピーチ」とする事も出来ない。
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※「市民権」の意味

要するに

「国籍を理由にして、外国人の排除を目的として、差別的意識を助長、誘発するもの」

でなければこの法律の言うヘイトスピーチ」には該当しないのである。感情的な主張に走らず、明白な法や証拠に基づいた主張をしていればまず問題はないのである。逆にある主張に対して「それはヘイトスピーチだ」と根拠もなく言う連中は自分達が成り済まし日本人である事を白状するに等しい。我々が注意するべき点はそこである。
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※結局これに尽きるのだろう。