太陽系から至近距離にある生命体が存在できる可能性のある惑星

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ヨーロッパ南天天文台(ESO)の研究者たちは8月24日(現地時間)、太陽から約4.2光年の位置にある、太陽に最も近い恒星「プロキシマ・ケンタウリ」を周回する、地球サイズの惑星(プロキシマ・ケンタウリb)を発見したと正式発表した。
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http://www.sankei.com/wired/news/160828/wir1608280001-n1.html

プロキシマbは、巨大ガス惑星(木星型惑星)ではなく、岩石惑星(地球型惑星)であるとみられ、その最小質量は、地球の約1.3倍であると述べている。

またプロキシマbは、プロキシマ・ケンタウリと約750万kmの距離を保ちながら、そのまわりを11.2日周期で回っている。その距離は太陽と地球の間の距離の約5パーセントと、はるかに短いが、プロキシマ・ケンタウリ赤色矮星なので、太陽よりはるかに小さく、発する熱も少ない(質量・半径がともに太陽の7分の1程度)。

そういう理由でプロキシマbは、地球が太陽から受ける量の約65パーセントに相当する熱放射を受けていると推測されている様だ。もし大気がなければ、その表面の平均温度は摂氏マイナス40度になるとみられる(地球表面の平均温度は摂氏15度だが、地球が大気をもっていないと仮定した場合、その表面温度は摂氏マイナス20度になる)。

逆にプロキシマbが大気をもっている場合、その表面温度には摂氏30度~マイナス30度までの幅があると考えられる。もし大気が存在するなら、地表の一部で「液体としての水」が存在する可能性がある。それは生命が居住できる可能性があるハビタブル・ゾーン内にある事を意味する、と言うわけだ。ただしこの惑星に、生命が暮らせる環境があるという直接的な情報はまだ収集できていないのだが。

但し地球と違ってプロキシマbは恒星に非常に近いため、重力に起因する潮汐力によって常に同じ面を恒星に向けている可能性がある。つまり、片側には常に日が当たり、その反対側は永久に薄暗いかもしれない。この場合、水は片側の面にしか存在しないことになると考えられる(回転している場合は、水は赤道付近に存在すると考えられる)。地球の様に知的生命体が存在したとしてもその活動にはかなりの制約がありそうだ。早い惑星の時点や公転への適応、永遠の「昼」への適応、また生物の生存可能領域の小ささ…それ故知的生命体が居ても我々の想像を越える姿なのかもしれない。

これだけの近距離に生命の存在できる可能性のある惑星があるのだから、ここに何らかのメッセージを送ってみる、なんてのも考えられる。仮にプロキシマbに文明があって我々と同水準の文明だとすればメッセージを送って10年以内に返事が来る可能性もある。宇宙には生命体が地球にしか居ない、と言うのも何か不自然な気もする。すぐ近くに異星人がいる、と言うのは天文学者の夢を駆り立てるであろう。恐らく地球外生命探索の最有力候補として研究されるだろう。記事は現在判っている事を述べているが新たな発見でその期待が更に高まるかも知れない。