土星探査機カッシーニ、任務終了。
※カッシーニの軌跡。
1997年に打ち上げられたカッシーニは約7年かけて土星に到着した。装備していた着陸機ホイヘンスによって土星の衛星タイタンに「メタンの海」が存在する事を発見したり、自身も衛星エンケラドゥスでの水蒸気噴出を発見したりと、この2衛星に「生命体の存在する可能性」を見出だした事は20年に渡る探査の中でも特筆すべき功績、と言えるだろう。
元々は2008年にその任務を終える予定だったのだが、想定以上の活躍をしてくれたのでミッションは2度も延長され、我々に土星の姿を送り続けてくれた。
最後に土星に突入するのは「生命体の存在する可能性」があるタイタンやエンケラドゥスに悪影響を与えないため、との事で、最後まで地球にアンテナを向け、「最期の瞬間」まで土星の大気の情報などを送り続けた、との事だ。
当面は土星やその衛星を探査する計画はないそうだが、カッシーニが残した膨大なデータはその後の探査、特にタイタンやエンケラドゥスで地球外生命体の存在を探すのに大いに役立つ筈である。それが「いつ行われるか」は判らないが、カッシーニの残したデータは
「人類共通の財産」
と言っても過言ではないだろう。カッシーニには
「お疲れ様でした」
と言ってあげたい。
…余談だが、土星の画像をネットで検索して見ると非常に美しく、雄大な画像を多数見ることが出来る。しかし、そんな姿を想像して自分で天体望遠鏡を覗くと「拍子抜け」してしまう。何せ土星は地球から14億km、光速で進んでも1時間以上かかる「遥か彼方」にあるのだ。望遠鏡が小さいと、「土星」と認識出来ない可能性さえある。
「土星には耳がある」