日馬富士引退で幕引きではない。


イメージ 1
イメージ 2

暴行事件の渦中にあった日馬富士が引退を表明した。

如何なる理由があっても暴力を震った事は弁護の仕様がないし、ここで引退表明しなくても横審から厳しい処分、引退勧告が出ても不思議はない状況ではあった。そうなる前に自ら身を引いた方が「見てくれが良い」と見る事も出来るが果たして「それだけ」であろうか?
イメージ 3


記事が指摘する様に日馬富士帰化手続き中だった。引退した力士が親方になるには「引退の時点で」日本国籍保有が大前提である。手続き中だったとは言え、引退した時点で日本国籍がない事に変わりはないので日馬富士はここで引退すれば角界とは縁が切れる事になる。帰化手続きが終わったからと言って再び相撲協会に戻る、なんて事も出来ない。横綱になれば特例措置として引退して5年は相撲協会に残れる、と言うのもあるが、これも「引退時点で日本国籍保有」が前提なのでこれも出来ない。退職金や特別功労金など、2億円とも言われる金額を受け取ってオシマイ、である。
イメージ 4
イメージ 5


「何故、このタイミングだったのか?」

と言う疑問もあるだろう。理由の一つに「番付編成会議に合わせた」と言うのがある。日馬富士の引退届提出はその当日だった。本日以降に引退表明してしまうと来場所の番付に「引退した筈の」日馬富士の名前が残ってしまう事になるのだと言う。そうなると「関取」の定員は決まっているので割を喰って「関取に上がれない」力士が出る事になるのだ。ご存知の通り、「関取か否か」では待遇が天地ほど違う。それを避ける為の最終のタイミングだった、と言う訳だ。

だが、それだけだろうか?

九州場所の最中は無言を貫いた貴乃花親方、場所が終わって少しずつ「その意図」が報じられる様になってきた。先日記事にしたが、貴乃花親方の真意は

「モンゴル人コミュニティで行われている『八百長相撲』の撲滅」

にあるのだとしたらこれは日馬富士の暴行事件とは別の話だ。表沙汰になれば相撲協会だって調査するよりない。他の力士はガチンコなのにモンゴル人力士だけが八百長で自分達の地位を安泰にしているのを黙認するのなら相撲協会の信用はなくなる。週刊誌などでその疑いを指摘する記事が出ているものの「決定的な証拠」はまだ表には出ていない。しかし、裏で貴乃花親方が既にそれを掴んでいる、または「そうだ」と思えるだけの材料を持っているのだとすれば…?

ここで日馬富士が引退すれば相撲協会の調査もウヤムヤになる。暴行事件は日馬富士の単独行動、とすれば相撲協会の調査のメスをそこで「止められる」事も出来るかも知れない。日馬富士にしても帰化するまで時間稼ぎをする、とか相撲協会の処分を待つ、といった選択肢もあった筈なのにそれをしなかった。仮に

「モンゴル人コミュニティで八百長

があったとしてその発覚を防ぐ為にこのタイミングで引退を表明したとすれば…?同日、モンゴル人力士が巡業部長交代を八角理事長に直訴していた事が明らかになっている。一部で報じられる貴乃花親方の真意と関係があるのだろうか?

この件は日馬富士の引退で決着、とはならない。モンゴル人力士コミュニティの実態解明までこの件は終わらなくなっている。それを理解せずにウヤムヤにするのでは相撲に将来はない。年が明ければ理事選もあるが、相撲協会の自浄能力が問われていると言えるだろう。相撲が「正念場」を迎えている。

イメージ 6