朗報だが福音ではないマグロの絶滅危惧レベル引き下げ

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※3kgのマグロはこれ位の大きさ。これなら家庭でも何とかなる。

日本は島国であるが故、魚食文化が発達した。世界でも「和食」と言えば刺身はその代表格、そしてその刺身になる魚で最も有名な魚の一つにマグロがある。

そのマグロは乱獲が祟って「絶滅危惧種」となってしまったが、最新のレッドリストによるとクロマグロの危機ランクは引き下げられたと言う。危機感を持って対応した成果が出てきた、と言う事なのだろうが、油断してはならない事は言うまでもない。

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https://news.yahoo.co.jp/articles/112c66cc5d3cb420b8380d9ab73398f8ef2369e6

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※知る人ぞ知るコシナガマグロ

日本で食用にされるマグロは「本マグロ」と呼ばれるクロマグロ、南半球で獲れるミナミマグロ、一番流通していると言えるメバチマグロ、加工品に使われる事も多いが、生は夏に美味なキハダマグロ、「ビントロ」で馴染みのあるビンナガマグロ、そして最もマイナーで「知る人ぞ知る」存在のコシナガマグロが挙げられる。また、クロマグロは太平洋と大西洋の産地の違いで区別される。従って日本で食用にされるマグロは7種類である。

このうち絶滅危惧種に分類されていた太平洋クロマグロを「準絶滅危惧」に、大西洋クロマグロを絶滅の可能性が低い「低懸念」にそれぞれ危機のランクを引き下げ、またミナミマグロ、ビンナガマグロ、キハダマグロの3種は漁獲枠設定などの効果で資源回復の兆候がみられる、と判断された。だからと言ってマグロが絶滅の危機を脱した、と言う訳ではないのだが。


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※人間によって絶滅したドードー鳥。

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※10億羽いた、と言われたリョコウバトもあっさり絶滅させられた。

昔から人間は無節操な乱獲でたくさんの動植物を絶滅させてきた。上に挙げたドードー鳥やリョコウバトはその「氷山の一角」でしかない。人間とは無関係に自然淘汰された種はともかく、乱獲などの人為的な絶滅は自然のバランスを崩し、結局人間がそのしっぺ返しを喰らう事になる。実際、マグロは判断が引き下げられたが、世界のサメとエイの37%が乱獲や生息地喪失、気候変動の影響などで絶滅の危機に直面。インドネシアの固有種で絶滅危惧種の「コモドドラゴン」も危機レベル引き上げなど、問題が深刻化している種もある。特に地球温暖化等の影響は明らかに他の生物に影響を与えている。対策は「待ったなし」であろう。

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※DNAから再生すればいい、と言う問題ではない。

映画「ジュラシック・パーク」ではDNAから絶滅した恐竜を再生させていた。理論上は確かに可能で、実現もそう遠くない将来、可能かも知れないが、だからと言ってDNAのサンプルがあれば大丈夫、と言う訳ではない。幾ら技術が発達しても「自然の摂理」には勝てないものなのだ。この様な危機を脱するには

「人間は万物の霊長で何でも支配出来る」

と言う考えを捨て去る事から始まる。こういう考えから最も縁遠いのは我々日本人ではないか?で、あればこういう問題には日本が率先して世界に範を示すべきであると言えるだろう。