21年前に発見されたカメの化石は新種のカメだった。

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※これがその化石。

21年前に発見された亀の化石。研究の結果それが新種の亀の物であった事が判明したそうだ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150122-00010002-fukui-l18&pos=1

化石が発見されたのは福岡県宮若市の約1億2千万年前の地層から。カメ類の「アドクス属」(絶滅種)としては世界最古の化石になるそうだ。これまでは中央アジアでの1億年前の白亜紀のものが知られている限り最古のものであった。甲羅の一部が原始的な特徴を持っており、「カメ類の進化や多様化を知る上で重要な資料」としている。(福井県立恐竜博物館)

化石は宮若市の関門層群千石層(白亜紀前期)から1994年に見つかり、北九州市立自然史・歴史博物館で保管されていた。2009年から福井県立恐竜博物館の薗田哲平研究職員が早稲田大などと共同研究を進め、新種であることが判明。学名を「アドクス・センゴクエンシス」(千石峡のアドクス)と名付けた。

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※アドクス・センゴクエンシスの推定復元図。

アドクスは絶滅した原始的なスッポンの仲間だそうだ。見つかった化石は甲羅の一部7点で、甲羅の長さは約29センチと推定される。甲羅の模様が、これまでに見つかっているアドクス属の種と違っており、大きさも小さいことなどから新種と判断したとの事だ。

筆者が小学生の頃の恐竜百科本などには「中生代の日本列島は海の底で地面だった場所が少なく、恐竜等の陸生生物の化石は余り期待できない」…なんて事が書かれていたと記憶している。当時日本で発見され、恐竜と断定された化石はかつて樺太で発見されたニッポノサウルスくらいであった。しかし現在ではフクイラプトルやフクイサウルスといった新種の恐竜も幾つか発見され、日本にも古代から多様な陸生生物が生息していた事が判明している。日本の古生物学の発展も侮れない。

さて、今回の発見はカメだが、カメについてもかつては爬虫類の中でも早めに他の種から分岐したと考えられていたそうだが、ゲノム解析によって、ヘビやトカゲなどよりよっぽどワニや恐竜、鳥に近い種であると判明している。しかもかなり早い段階で現生種に近い形態を獲得している。…とは言ってもかつてはなかなかユニークなカメもいた事も判明している。

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※シネミス・ガメラ。甲羅の突起が特徴的な古代のカメ。これは水中を泳ぐのに使われたのではないかと考えられている。

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※空飛ぶカメの怪獣の図。

…この甲羅の後ろ側に突起を持ったカメ。発見当初この形状があたかもステルス爆撃機を彷彿とさせた事から「ステルス爆撃機カメ」と渾名された。そこから「ステルス爆撃機カメ」「空飛ぶカメ」と連想されてこのカメは「シネミス・ガメラ」と命名された。「ガメラはいた」と言うのはある意味では間違っていないという嘘みたいな本当の話である。

…余談だが「ゴジラサウルス」という恐竜も正式な学名で存在する。…とはいっても映画の様な大恐竜ではなく、(映画ではゴジラザウルス。)ゴジラとは似ても似つかぬ体長5~6m程の中型の肉食恐竜である。もっとも生息当時はこれでもこの地域では最大級の肉食恐竜だったという。ただしスペルは「Godzilla」ではなく、「Gojira」なのだが…

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※現実のゴジラサウルスの推定復元図。

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※映画のゴジラザウルス。

かつて生息していた古代生物。現生種はそれらの僅か1%に過ぎないとも言われる。その全てが解明される保証はないかもしれないが、我々人間や他の生物のルーツを知る為にも研究には意義があると言えるだろう。今後の新たな発見や研究成果次第では日本で発見された古生物の化石が学界の常識を覆したりするかもしれない。大いに期待したい所である。