支那が北朝鮮への石油禁輸に消極的なのは?
※調子に乗るな!
と、「最も強力な制裁」に言及、日本の別所国連大使も
と、アメリカと足並みを揃える姿勢を鮮明にした。
ここで日米が求めているのは
「北朝鮮への石油禁輸」
と言う「新たな制裁決議」である。
「北朝鮮の核・ミサイル開発の検証可能な形での永久放棄」
になるだろうから「軍事力に頼らない解決」の最強かつ最後の「手段」だとも言える。
出来る事ならさっさと採択して実行して貰いたいものだが、最大の障害は拒否権を持つ支那とロシアが「反対」の姿勢を見せている事だ。
と、事此処に及んでもコメントの歯切れが悪い。また支那も
と、核実験実施については北朝鮮大使を呼び出して抗議したが、「石油禁輸の賛否」については明言を避ける姿勢に終始している。
「それは何故か?」
と言う疑問が出るのは当然かもしれない。その理由について産経新聞は以下の様に分析している。
北朝鮮への石油の供給は主に支那が行っている。その量は年間50万tと推定され、その割合は北朝鮮の石油輸入量の実に9割にも達すると言う。日米が幾ら頑張って安保理で「北朝鮮への石油禁輸」決議の採択を目指しても支那とロシアが「反対」である限り決議は採択出来ないし、日米が何らかの譲歩をしてせめて支那とロシアが「棄権」する事で手打ちが成立したとしてもその制裁の実行に支那が(当然ロシアもだが)協力しない事には決議は単なる紙切れに終わる。これではほくそ笑むのは北朝鮮だけだ。
気になるその理由だが、先ずは技術面。支那が供給する北朝鮮向けの原油には、ろうそくの原料のパラフィンが多く含まれているのだと言う。その為送油を一定期間止めてしまうとそのパラフィンが凝結し管が詰まるのだと言う。つまり、送油の再開には詰まったパイプをどうにかしないとやり様がない。最悪全交換、なんて事も有り得るだろう。勿論交換するのに莫大な費用と手間がかかる事は想像に難くない。その手間を嫌っている、と言う訳だ。
更に政治的な面では
・難民が大量に自国内に入ってくる
・北朝鮮領域が韓国によって統一される、又は親米政権が樹立される
事は支那が最も嫌う結末だ。更に支那も協力して北朝鮮を締め上げれば金正恩が自分達に牙を剥く、と言うリスクも懸念しているのだろう。幾ら支那も無法国家だと言っても同じ穴の狢でしかない金正恩にイキナリ北京にミサイルなり核兵器を撃ち込む「無法」をされたら堪ったものではない。恐らくそのリスクが現実になるより金正恩の肩を持つ方がマシ、とでも考えているのだろうか。
支那にとって自分達が制裁で北朝鮮へ石油を止めてもロシアが裏で肩代わりするから意味がない、と考えるのは無責任であろう。かりそめにも常任理事国であると言うなら自分達がまず実践し、他国にも遵守させるのが筋ではないのか?勿論ロシアにも同じ事は言えるが、常任理事国がそういう態度だから北朝鮮が付け上がるのだと言う現実は無視してはならない。
そして支那が石油を止めても北朝鮮をコントロール出来なかった場合、支那は北朝鮮への影響力を失ったと否応なく痛感させられる事になる。そうなった場合でも「中朝友好協力相互援助条約」がある以上、条文上、北朝鮮への武力行使があった場合、支那は北朝鮮を助けざるを得なくなる。「破棄または見直し」をすれば良いじゃないか?と言う意見が出るのは当然かもしれないし、実際支那でもそう言う話は上がっているのだが、この条約、「一方的に破棄出来ない」条文になっているのである。
※中朝友好協力相互援助条約の条文の日本語訳。
支那が北朝鮮への武力行使に徹頭徹尾反対なのもこの条約のせいである。どっちが先に仕掛けたかに関わらず「アメリカVS北朝鮮」の戦争になれば条約の上では支那は北朝鮮側での参戦を余儀無くされる。勿論支那もここでアメリカとの戦争など望んではいないだろうが、否応なく巻き込まれる事になる。本音では
「金正恩がどうなろうが知ったことではない」