自民党総裁選討論会を考える
※NHKでの討論風景。
「憲法改正議論」
に絞って両者の主張について考察してみた。
国家として「あるべき姿」と言う意味では石破茂の主張の方が理想ではある。だが、「政治家としては」理想を掲げるだけでは意味はなく、「実務上の問題」を考慮しなくてはならない、と言えるだろう。この選挙は自民党員だけの投票とは言え、勝った方が総理大臣となる選挙だ。そしてその総理大臣とは「実務を司る行政の長」である事は今更言うまでもない事だが、「日曜討論」での両者の発言を比べると
「抽象的な理想論」
に終始している石破茂と
「現実的な効果」
を見越している安倍首相の差は歴然であろう。
「その差は現職総理大臣としての経験でそれがない石破茂にとってはハンデキャップ」と言う意見が出るかも知れない。だがそんな事は最初から判りきっていた事ではないのか?それを言い訳にする位なら「最初から出馬するな」と言う一言でオシマイだ。安倍首相としては当然ながら「現職の強み」を最大限活用する選挙戦術を採るだろう。石破茂は「挑戦者」の立場なのだから「現職の強み」を上回る具体的な提言がなければならないが、石破茂の発言からはそれは見えてこない。そうなると石破茂の「自身の発言に対する本気度」さえ怪しいものと受け取られてしまう。
石破茂は
「51対49での決着は避けるべき、6~7割の賛成が必要」
「石破茂は何故この様な主張をしたのか?」
と言う疑問は出てくるであろう。
憲法改正案に国民の7割の賛成、となると自民、公明、維新の支持者だけでは足りないだろう。で、あれば他党の賛成を取り付ける、無党派層を取り込む、と言う努力は必然である。石破茂としてはそれを言いたかったのかも知れないが、それなら石破茂はその為にどんな方針を採るのか?野党の賛成を取り付けるにしても例えば共産党の様に
「憲法改正議論自体反対」
と言う頑迷極まる政党も存在する。共産党の場合、それどころか主権者である国民の「憲法について考える」機会も権利も自分達のエゴで封殺している。コレが「主権者である国民を蔑ろにする」行為でないなら何だと言うのだろうか?こんなのを賛成以前に「議論の場に引きずり出す」どんな努力を石破茂は行う、と言うのだろうか?討論会で石破茂はそういう事を「具体的に主張」すべきであった。
理想論を掲げる「だけ」なら民主党でもルーピーでも出来た事だ。そしてその愚は民主党政権で十分証明されている。石破茂の発言もそう受け止めないと同じどころかそれ以上の黒歴史になる。これ以上余計な事を考える必要はない。安倍首相以外に選択肢はない。