平成最後に…

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本日を以て「平成」が終わり、明日からは「令和」となる。どんな人であれ、この一つの時代を「駆け抜けた」事に対し、各々思う所はあるだろう。不肖筆者にとっても「平成」はこの先後何年生きられるか判らないが、「人生の中核」の時代であった事は確かである。

その「平成日本」の象徴であらせられた天皇陛下はそのお役目をを見事に全うされた事に異論を挟む余地はないだろう。歴代天皇の中でも

「最も国民に寄り添って下さった」

のではないかとさえ思える。そんな天皇陛下にまつわるエピソードを御存知の方は多いとは思うが、ここで紹介したい。

画像の魚、「ナイルテラピア」と言う淡水魚である。日本では「いずみ鯛」とも呼ばれるこの魚、鯛とは全く関係のない種なのだが、刺身にするとご覧の通り

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※刺身の柵にすると鯛に似ていなくもない。

真鯛に似ていなくもない。天皇陛下とこの魚がどんな関係?と、思われる方もいるだろうが、実はまだ陛下が皇太子だった1960年代、タイ王国での食糧難に国王が頭を悩ませている事を知った陛下がこの「ナイルテラピア」を50匹贈って

テラピアの養殖」

を提案されたのだそうだ。タイ王国はこの提案を受け入れ、陛下の贈られたテラピア50匹を元手に養殖を始めた事で問題は解決、現在でもタイの人々には人気の食材として食されていると言う。タイにいた華僑によってこのナイルテラピアは「仁魚」と、天皇陛下の御名前に因んだ命名をされ、タイ語でも「プラー・ニン」と言う名で呼ばれているのだと言う。

この魚、水温が10度以上であれば大概の環境に適応できる優れた環境適応力を持ち、雑食性で餌を選ばない、そして味が良い、と養殖するには持ってこいの種なのである。天皇陛下は「魚類学者」と言う「もう一つ」のお顔をお持ちだが、そんな「天皇陛下ならでは」のご提案だったと言える。

かつては日本でも養殖が行われていたそうだが、コストの関係で高価な魚となってしまっていた事と、真鯛の養殖に取って代わられてしまった為、国産物はなかなかお目にかかれない。養殖はアジア各地(と、言うか世界の多くの国で、だが)で行われているが、台湾産のテラピアであれば比較的安価で入手する事は出来る。(但し、その殆どが冷凍物、若しくは解凍物だが)

調理法は多彩で和食にするなら刺身、中華料理なら唐揚げやスープに、洋食ならムニエルにするなど用途も広い。今回この魚の話を持ち出したのは平成の最後に天皇陛下に細やかながら感謝と敬意を表しておきたいと思ったからである。ありがとう平成。そして令和が日本にとって、また皆様にとって良い時代となる事を願ってやまない。