無意味に韓国に忖度する朝日新聞


大阪城は大阪のシンボルの一つだ。

6月末に大阪で行われるG20サミット。参加国首脳が一同に会したきねんさつえいが「恒例」となっている模様だが、今回政府は

大阪城をバックに記念撮影」

と言う青写真を描いているのだと言う。個人的には大阪城も「大阪のシンボルの一つ」と思っているのでその構図での記念撮影には賛成だ。だが、妙な理屈でケチを付けて来たのが朝日新聞である。

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朝鮮出兵には「日本の防衛」と言う目的もあった。

短い記事だが、

大阪城は朝鮮を侵略した豊臣秀吉の居城だったのでそれをバックに記念撮影など韓国が反発する可能性がある。だから今後再調整が行われる可能性がある」

と、言うのだ。一体どういう目線で記事を書いているのか理解に苦しむ事この上ない。
そもそも「秀吉が朝鮮を侵略」と言う主張も時代錯誤が甚だしい。確かにかつては秀吉の朝鮮出兵

「耄碌した秀吉の『大陸征服』と言う誇大妄想によって引き起こされた」
「配下の大名に恩賞として与える土地を得るべく侵攻した」

と言う見解が多く見られたが、最近の研究では

イスパニアの侵略に対抗するため」

だったと言う研究結果が出ており、当時の国際情勢を考えると説得力のある説となっている。

※殺られる前に殺れ、は戦乱の世では鉄則。

この当時、アジアの大半はイスパニアの植民地となっていた。アジアで「独立国」と言えるのは日本と明程度なもので日本については宣教師の

スペイン国王陛下、陛下を日本の君主とすることは望ましいことですが、日本は住民が多く、城郭も堅固で、軍隊の力による侵入は困難です。よって福音を宣伝する方策をもって、日本人が陛下に悦んで臣事するように仕向けるしかありません。」

と言う報告が残っており、当時世界最強クラスだったイスパニアをして「日本の武士には勝てない」と思わせるだけの軍事力を持っていた事が判っている。この時点でイスパニアの前線基地はフィリピンにあったのだが、「日本を武力で制圧するのが困難」ならば矛先は明しかなくなる。因みに朝鮮は「明の属国」としか思われていないのでイスパニアの「眼中にはなかった」のである。

秀吉からすれば現状ではイスパニアの侵攻を撃退出来てもイスパニアが先に明を征服してしまう様な事態になれば話は違ってくる。脅威は明らかに強大になって接近する事になる。早口に言ってしまえば「元寇の再来」が何時起こってもおかしくない状況になる、と言える状況だったのだ。

そこで秀吉は「殺られる前に殺れ」と言わんばかりにイスパニアより先に日本が明を征服してしまえばとてもじゃないがイスパニアが「侵攻する」なんて気が起こらない状況を作り出せる、と考えて明(と、ついでに朝鮮)を征服しようとした、と言うのだ。明を征服出来なくても最悪朝鮮半島を緩衝地帯に出来れば「日本防衛」と言う目的は果たせる、と言う狙いもあった様だが、この辺りは明治での日清・日露戦争での状況に通じるものがある。まさに「歴史は繰り返す」ものなのである。

そういう事を考えずに簡単に「秀吉が朝鮮半島を侵略」なんて言うのは無責任だとしか言い様はない。しかもこの頃の朝鮮はそういった国際情勢を理解せず「小中華」などと自己満足に浸っていたのが現状だった。こちらもまさに「歴史上の失敗」から何も学んでいなかったのだと言えるだろう。

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※まさに朝日新聞

また大阪城だが、知っての通り現在の大阪城は秀吉時代の「オリジナル」ではない。秀吉の大阪城大坂夏の陣で豊臣家が滅亡した際に焼失し、後に徳川幕府によって大阪城は再建された。しかも再建にあたって徳川幕府は秀吉の大阪城の遺構を全て埋め、その上に新たに「一から」普請し、「新大坂城」とでも言うべき城を造ったのである。

だが、天守閣は江戸時代に落雷で焼失し、再建される事はなかったのだが、現在の天守閣は1931年に鉄骨鉄筋コンクリート構造で再建されたものだ。天守閣の建物自体は秀吉の大坂城を模しているが、土台の石垣は徳川時代のそれだ。そういう意味ではイメージとしては確かに「秀吉の大坂城」だが実際にはそれを伝える遺構はない。それ位の事は朝日新聞だって承知だろうにわざわざ「秀吉の大坂城」を強調して韓国の反発を煽って政府の青写真を打ち砕こうなんてやることが姑息過ぎる。

大体韓国がどう思おうが日本で行う国際会議である以上、議事運営に関わる事は議長国の日本が決める事であり、韓国の反発や意向など「どうでもいい」事でしかない。このG20での日韓首脳会談は「見送り」が決定的な状況だ。一連の国際法違反状態にどう「ケジメを付ける」のか、何ら明確な回答がないからだ。会談する意味がない。

既に日本は「日韓請求権協定に基づく『仲裁手続き』」を要請している。その期限はG20前だ。回答が出来ないのであれば「首脳会談見送り」の理由になるし、G20で「誠意のない対応」と韓国を槍玉に上げる事も出来る。そもそもG20で韓国の優先順位など「ダントツで最下位」なのは論を待つまい。朝日新聞は己の思想信条を前面に打ち出すのではなく、最低限周囲の情勢や歴史的事実を踏まえた考察を反映した記事を書くべきだった。それらを無視した「韓国を忖度」した記事など価値はないし、慰安婦関連を初めとする朝日新聞誤報、捏造歪曲報道から「何も学んでいなかった」と自ら証明する様なものである。朝日新聞に「報道機関」としての矜持はない。

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朝日新聞にお似合いの構図。